倉庫業登録申請サポート

目次

倉庫業を行うには?

倉庫業とは、「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」をいいます。

ここで「寄託」とは当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受取ることによってその効力を生ずる法律行為をいいます。
そのため、消費寄託(預金など)、運送契約に基づく運送途上での一時保管(配送センターなど)、修理等の役務のための保管、自家保管などは「寄託」に当たらないため、「倉庫業」には該当しません。

また、「営業」とは反復継続的な業務で報酬を伴うものをいうため対価をもらわない(無償)で物品を保管する場合には、そもそも「営業に当らないため、倉庫業には該当しません。
例えば、農業倉庫及び協同組合の組合員に対する保管事業は、「営業」に該当しないことになります。

その他、政令で除外されているものは、倉庫業の対象から外されています。
例えば、銀行の貸金庫、修理等他の役務の終了後に付随して行われる保管、ロッカー等外出時の携行品の一時預かり、駐車場・機械式駐車場における自動車の保管は、政令で倉庫業の対象から外されています。

以上のことから、他人の物品を有償で反復継続して倉庫に保管するには、倉庫業の登録を受ける必要があります。

そして、倉庫業登録を受けるためには、倉庫の所在地を管轄する運輸支局へ倉庫業登録申請をする必要があります。

倉庫業登録申請の流れについて

(1)事前準備

①営業倉庫として登録できる倉庫の条件を確認
⇒保管物品、倉庫の種類及び施設設備基準の確認

②倉庫の選定
⇒新築・購入・賃貸などの倉庫の調達方法を検討し、対応する業者に施設設備基準を示してこれに適合する物件を選ぶ

③地方自治体等への確認
⇒地方自治体等に「倉庫業を営む倉庫」として使用可能か事前確認する
※建築基準法・都市計画法等の法令に抵触していないか確認する

(2)登録申請の準備

①物件の決定
「倉庫業を営む倉庫」として使用できることを確認した上で、倉庫を新築・購入・賃貸する

②登録申請書類の作成・提出
⇒倉庫業登録申請では膨大な書類・図面・各種証明書の提出を要するため、物件の決定に当たっては、申請に必要な書類がきちんと揃っているかについても確認が必要です。

③各地方運輸局による審査・補正指導
⇒標準処理期間は2~3ヶ月となっていますが、これには補正対応の期間を含みません。
運輸局より何らかの補正対応を求められることがほとんどなので、出来るだけ早めに申請書を提出することをお勧めします。

(3)倉庫業登録

①地方運輸局での審査完了⇒登録(営業開始OK)

②登録免許税の納付
⇒各地方運輸局に対して、登録免許税9万円(新規登録の場合)を納付する必要があります。

③料金の設定届出
⇒保管料、荷役料等の料金を設定し、30日以内に届出する必要があります。


以上のように、倉庫の選定作業から始まり倉庫業登録手続が完了するまでには、1年前後かかるケースも見受けられます。
そのため、スムーズに倉庫業登録を受けて、少しでも早く倉庫営業を開始するためには、以下の2点がポイントとなってきます。

(申請上のポイント)
①倉庫物件の選定を間違えないこと(徹底的に事前調査をすること)
②倉庫業登録申請書を少しでも早く作成して提出すること

倉庫業の登録要件について

倉庫業の登録を受けるためには、以下の登録要件を満たしている必要があります。

(登録要件)
①倉庫設置場所の区域と設備が法令等の基準に合致していること
(ア)建築基準法・都市計画法上倉庫業を営むことができない地域に該当していないこと
・準住居地域を除く住居地域
・開発行為許可を有しない市街化調整区域
⇒上記に該当する地域では、原則として倉庫業を営むことができません
※設置予定地及び倉庫の所在地の市区町村に問い合わせて、具体的に登録が可能か調査することが必要です。
(イ)防水性、防湿性、遮熱性、耐火性など倉庫の分類ごとの各基準を備えていること

②倉庫管理主任者の設置
次のいずれかに該当する「倉庫管理主任者」を必ず選任する必要があります。
・倉庫管理業務に関して2年以上の指導監督的実務経験を有する者
・倉庫管理業務に関して3年以上の実務経験を有する者
・国土交通大臣が指定する講習の修了者
・これと同等以上の知識・経験を有すると認められた者
※申請時には倉庫管理主任者が選任されていなくても構いませんが、登録が下りる段階では、 倉庫管理主任者が選任されている必要があります。

③登録拒否要件に該当しないこと
いわゆる欠格事由というものです。過去に法令違反をしている個人事業者や法人に登録を受けさせないために当該規定が設けられています。


倉庫業登録申請においては、特に①の要件が重要なため、倉庫を建築・購入・賃貸をする場合には、倉庫設置場所の区域の法令適合性と倉庫設備が基準に合致していることを必ず事前調査することをお勧めします。
※倉庫を購入・賃貸した後に倉庫業登録できない倉庫だと分かった場合には、新たに倉庫を購入・賃貸し直すなど経済的な損失や時間のロスがかなり大きなものとなります(建築の場合は、言わずもがなです)。

倉庫の種類について

(1)倉庫の種類

倉庫業における倉庫は7種類あり、倉庫の種類によって登録条件も大きく代わってきます。
また、倉庫業登録に加えてトランクルーム認定を受けることも可能です。

種類保管物品
1類倉庫危険物及び高圧ガス、10℃以下保管の物品を除いた全ての物品の保管が可能な倉庫。
2類倉庫耐火性能を要しない倉庫。 飼料、ガラス器、缶入製品、原木などの保管が可能。
3類倉庫防水、防湿、遮熱、耐火の各性能と防鼠措置を要しない倉庫。 陶磁器、アルミ、原木などの保管が可能。
野積倉庫柵や塀で囲まれた区域。岩塩、原木などの保管が可能。
水面倉庫原木を水面で保管する倉庫。
貯蔵槽倉庫物などをばら貨物及び液体等で保管する倉庫。 サイロ、タンクがこれに該当し、糖蜜、小麦粉などの保管が可能。
危険品倉庫建屋、区画、タンクなどで危険物、高圧ガスなどを保管する倉庫。 アルコールなどの保管が可能。
冷蔵倉庫10℃以下で保管することが適当な貨物を保管する倉庫。 冷凍食品などの保管が可能。
トランクルームその全部又は一部を寄託を受けた個人の物品の保管の用に供する倉庫。

(2)トランクルーム認定

その全部又は一部の寄託を受けた個人の物品の保管の用に供する倉庫。
法人の物品に関しても個人と同じように扱えば非商用の物品の保管が可能。
トランクルーム認定を受けることで、国土交通省から優良のトランクルームであることのお墨付きがもらえる。

倉庫業登録申請の必要書類について(一類倉庫の場合)

倉庫業登録する倉庫においては、紙・衣類などの可燃物を保管することが多く見受けられることため、1類倉庫の登録を中心に説明したいと思います。

一類倉庫の倉庫業の登録を受けるためには、下記の書類を厚めのファイルに綴じて提出する必要があります。

(必要書類一覧)
①倉庫業登録申請書 
②倉庫明細書
③チェックリスト
④不動産の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
⑤建築確認済証・検査済証
⑥見取図 
⑦配置図
⑧平面図
⑨立面図
⑩断面図
⑪矩計図
⑫建具表
⑬構造計算書(抜粋)
⑭消防用設備等検査済証
⑮警備契約書
⑯倉庫管理主任者関係書類
⑰法人の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
⑱宣誓書
⑲倉庫寄託約款

※運輸局の意向により、上記書類の他にも追加書類の提出が求められることがあります。
例えば、必要書類が不足していたり、仮に必要書類が揃っていても必要な情報が記載されていない場合には、説明書の添付や追加書類・図面の提出が求められます。


以上のように事前準備も含めて倉庫業登録を受けるためには、かなりの時間と労力を要するだけではなく、倉庫業登録申請に係る登録要件や申請上のポイントが漠然としていて分かりにくいため、倉庫業登録を検討されている事業者の方は、倉庫業の登録要件を満たしているかや申請上のポイントについて何かご不明な点がありましたら、ご気軽にお問い合わせください。

※初回のご相談は、無料です(ただし、出張相談を除きます)

倉庫業登録申請サポート

サポート内容

1.申請から登録まで
①登録申請に向けた登録要件の確認及び助言(倉庫設置場所及び施設設置基準の調査業務、運輸局への事前相談を含む)
②準備書類一式の案内及び証明書の取得
③登録申請書類の作成及び提出
④申請後の補正対応(運輸局とのやり取りなどの窓口業務を含む)

2.登録後から事業開始まで
①登録免許税の納付の案内
②料金(保管料・荷役料等)の届出

料金

(1)登録免許税(納付手数料)
倉庫業登録後に登録免許税として90,000円(新規登録の場合)を納付する必要があります。

また、当事務所に上記申請代行業務をご依頼いただく場合には、上記費用に加えて、行政書士の報酬をお支払いただいております。

(2)報酬(目安)
倉庫業登録申請代行業務を当事務所にご依頼いただく場合には、通常、下記報酬をお支払いただいております。
なお、下記報酬額はあくまで目安であり、正確な報酬額を算出するには事業者の方の個別具体的な事情を勘案する必要があるため、当事務所では初回のご相談後に正式なお見積りを提示しております。

350,000円(税込385,000円)~
※倉庫設置場所及び施設設置基準の調査業務を含む

なお、初回のご相談は無料でお受けしておりますので、ご気軽にお問い合わせください(ただし、出張相談を除きます)。

※当事務所では、ZoomやLINEなどのビデオ通話を利用した無料相談も行っております

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