保管はするが対価をもらわない場合は倉庫業に該当するか
該当しない。
すなわち、「業」とは、反復継続的な業務で報酬を伴うものをいうため、対価をもらわない(無償)で物品を保管する場合には、そもそも業に当たらないことから倉庫業には該当しません。
倉庫の一部分を賃貸借する場合も倉庫業の登録が必要か
倉庫業登録が必要です。
倉庫業の免許は、倉庫ごとではなく各倉庫事業者ごとに与えられます。
そのため、既に倉庫業の免許を受けた倉庫業者が他の事業者に倉庫の一部を賃貸借する場合には、借主たる事業者は、別途、倉庫業の免許を取得する必要があります。
また、貸主たる倉庫業者は、登録上の営業用倉庫を一部賃貸することによって、
倉庫の範囲が少なくなることから、倉庫業登録の変更申請をする必要があります。
申請書に記載する倉庫の面積はどこまで含めるのか?
保管面積に該当する部分は、保管場所と貨物用エレベーターなど荷役の用に供する場所が該当します。
事務室と休憩室、人用の階段など保管業務や荷役業務に直接関係しない施設は有効面積には含みません。
倉庫の部分貸し(いわゆる坪貸し)は可能か?
施設内の営業倉庫用部分以外の坪貸し自体は可能です。
ただし、営業倉庫内に他者が容易に出入り出来ないような遮断措置を講ずる必要があり、その境界も壁などで遮断し、人及び貨物用エレベーターもそれぞれの会社が別々に使用出来るなどの措置が必要となります。
この場合、間仕切壁は倉庫施設設備基準で定められている外壁の強度を確保するか、荷崩れ防止措置を講ずる必要があります。
事務所は防火区画で区画しなければいけないのか?
倉庫内の事務所、宿直室、詰所、ボイラー室などは施設基準上火気を使用する施設と見なされ防火用の区画が必要になります。禁煙にしたり、ストーブを置かないなど火気を一切使用しないような措置を講じたとしても同様です。
その区画とは倉庫が耐火建築物・準耐火建築物であれば、準耐火構造材質の床か壁または特定防火設備で区画されていることが求められます。
それ以外の構造の倉庫であれば防火壁等で区画されていることが基準を満たす条件となります。
以上のように倉庫業登録申請をするにあたっては、上記のような厳格な施設設置基準を満たす必要があるためご注意ください。
倉庫の外壁に窓がある場合、倉庫施設基準上どのようなことが問題となるのか?
窓自体が縦と横それぞれ1mを超えなければ特に問題はありません。
窓が1mを超えた大きさの場合、たとえ外壁自体が基準強度を満たしていても角材や鉄格子をつけたりするなどの補強措置が必要になります。
また、JIS規格のS-6以上の強度を有している場合は例外的に補強措置がなされていると見なされます。その際は、その窓がS-6以上の強度を有している資料等が必要になります。
倉庫の外壁強度が2,500N/平方メートル超えていることの証明はどのようにすればいいか?
倉庫施設基準によると、倉庫の軸組みや外壁構造などによって基準をクリアする施設が明記されています。これに該当する施設については図面や関係書類を添付することで証明が可能となります。
一方、これに該当しない施設については建築士事務所(建築士)による強度証明書が必要になります。
(1)倉庫が鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造の場合
⇒特に添付の書類は必要ありません。
(2)倉庫が鉄骨造の場合
⇒鉄骨造の場合は荷摺り・内壁部材・胴縁が条件に合っているかが問題となってきます。
荷摺りを取り付けているときは、荷摺りが76cm以下の間隔で取り付けられていてなおかつ胴縁が90cm以下の間隔であるか。
また、下地板や内壁があるときは材質により基準に沿った厚みがありかつ90cm以下の間隔の胴縁になっているか。
(3)倉庫の外壁にALC板・PC板を取り付けている場合
⇒倉庫の外壁にALC板やPC板を使っているときは、それを製造したメーカー等の強度に関する資料が必要になります。
倉庫の外壁強度が2,500N/平方メートルない場合、倉庫業登録申請は可能なのか?
外壁強度が基準の強度を満たしていない場合でも、それ自体だけで倉庫業の登録申請が出来ないわけではありません。
荷崩れが起きないように、また起きても外壁に影響がないような措置を取れば倉庫業登録申請も可能となります。
※例えば、ラック保管する、外壁から一定距離を離して保管するなど
「第一類倉庫の施設基準」のうち倉庫業登録申請において特にポイントとなってくる倉庫施設基準のうち外壁の強度について取り上げましたが、倉庫の施設基準においては、床の強度などについても問題となってきます。
倉庫業登録申請をするにあたり、上記のような厳格な施設基準を満たす必要があり、特に既存の倉庫を購入又は賃貸して倉庫業登録申請する場合には、当該倉庫に応じた施設設置基準をクリアーする必要があります。
そのため、倉庫業を営むことを想定して倉庫を新設する、既存の倉庫を購入・賃貸する場合には、その倉庫が施設基準を満たしているか事前に確認した上で、倉庫を新設・購入・賃貸することをお勧めします。