特定旅客自動車運送事業経営許可申請の概要について

道路運送法の改正により、2017年(平成29年)より一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス事業)免許の更新許可制度や貸切バス適正化センターによる巡回指導の実施がスタートしました。

これらの制度が開始してから約3年が経過しましたが、貸切バス更新許可申請前後や貸切バス適正化センターによる巡回指導後に、貸切バス事業者の方から一般貸切旅客自動車運送事業から特定旅客自動車運送業への免許換えのご相談を受ける機会が増えてきました。

そのため、複数回に分けて「特定旅客自動車運送事業経営許可申請」について取り上げたいと思います。

目次

1.特定旅客自動車運送事業の概要

(1)特定旅客自動車運送事業とは

旅客自動車運送事業のうち、特定の顧客の需要に応じ、一定範囲の人を決まった場所まで運送する事業をいいます。
例えば、企業や学校の通勤・通学用バス、施設の送迎バスなどがこれに該当します。

(2)一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス事業)との違いについて

特定旅客自動車運送事業と一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス事業)とは、以下の点で大きく異なります。

①顧客(運送需要者)が原則として単数の者に特定されること
→一般貸切旅客の場合、不特定多数の者(団体)を顧客とすることができます

②運送できる乗客(取扱客)が一定の範囲に限定されること
→一般貸切旅客の場合も、取扱客は貸切契約をした顧客(団体客)に限られますが、貸切契約さえ結べれば取扱客を広げることも可能です

③運送する場所(路線又は営業区域)が設定されること
→一般貸切旅客の場合も営業区域という制限がありますが、特定旅客の場合、運行経路を予め設定する必要があるため、営業区域が相当程度限定された運送形態となります

(3)免許換えのメリット・デメリットについて

<メリット>

①車両1両から運行を開始できる
②法令試験がない
③一般貸切旅客自動車運送事業と比べて規制が厳しくない
→例えば、顧客との貸切契約により運賃料金を自由に設定できるなど

<デメリット>
●特定旅客自動車運送事業の場合、顧客・取扱客・運行経路が限定されてしまうため、「送迎バス」のような運送形態でないと一般貸切旅客自動車運送事業へ免許換えすることが難しい

なお、「ロケバス」については、一定の条件を満たすことが出来れば、一般貸切旅客自動車運送事業から特定旅客自動車運送事業へ免許換えをすることも可能です。

現在、送迎バスやロケバスを運行されている貸切バス事業者の方で特定旅客自動車運送事業への免許換えをご検討されている方は、ご気軽にお問い合わせください。

※初回のご相談は無料です(ただし、出張相談を除きます)

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